株式会社シンプレクス・ホールディングス

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事業リスク

以下に記載している将来に関する事項は、平成22年3月31日現在において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると当社グループが判断した事項を記載しております。また、当社グループとしては必ずしも事業上のリスクとは考えていない事項についても、投資判断の上で、或いは当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。当社グループはこれらのリスクの発生の可能性を認識し、事業活動を行っております。当社グループ株式に関する投資判断は、本項以外の記載内容も併せて慎重に検討した上で行う必要があります。

1. 当社グループの事業内容に関するリスク

(1) 当社グループの事業の概要
当社グループは、金融機関が戦略的なIT投資によって収益の拡大を図ろうとする領域を金融フロンティア領域と定義し、金融フロンティア領域向けに特化した最先端の金融システムソリューションを提供する事業を展開しています。当該分野は、「高度な専門ノウハウ(金融工学、業務知識など)」と、「最先端IT技術」を融合した非常に高度な専門性を求められる特殊な領域であり、一般的に想定することが難しいリスクが生じる可能性があります。
(2) 当社グループの競争優位
金融フロンティア領域に対するシステムソリューションを展開する際に必要不可欠なものが、「高度な専門ノウハウ」と「最先端IT技術」です。当社グループは、これら全ての要素を高いレベルで兼ね備えた数少ない企業の一つです。
当分野は、高度な専門性が要求されるため、大手システム会社であってもこれら全ての要素を高いレベルで兼ね備え、ビジネスモデルとして確立することは容易でないことから、当社グループは参入障壁の高いビジネスを展開していると自負しております。今後も当社グループは、高度な専門性を活かした付加価値の高いビジネスに特化して事業展開していきます。
しかし、何らかの理由で競争優位を失った場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(3) 技術革新
当社グループの主たる事業領域である金融フロンティア領域では、技術革新のスピードが速いため、競争優位を確保し維持するためには、最先端のノウハウとシステムを保有し、かつそれらを継続的にアップデートしていく必要があります。当社グループにおいては迅速な環境変化に対応できるような組織運営を進めておりますが、当社グループの想定以上の技術革新等による著しい環境変化が生じた場合は、当社グループが十分な対応を行えるか否かは不透明です。当社グループが技術革新等の著しい環境変化に十分な対応が行えなかった場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

2. システム開発事業におけるリスク

(1) 赤字プロジェクトの発生
当社グループのシステム開発事業では、顧客の要望に基づいて見積コストを算出し当社グループの利益を反映した上で顧客との契約代金を決定しています。当社グループでは、見積の精緻化及び社内的なチェックの仕組みによって、プロジェクトの採算性には十分留意しておりますが、見積コストを超えた実績コストが発生し、赤字プロジェクトが発生する場合があります。また、開発工程においても品質管理に十分な対策を講じておりますが、開発トラブル等によって赤字プロジェクトが発生する可能性があります。
特に大規模システムの開発で赤字プロジェクトが発生した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(2) システム開発におけるトラブルの発生
システム開発事業では、顧客との契約に基づいてサービスの提供が行われ、その契約中では、納品期限、性能要件、機能要件、サービスレベル等が定義されています。当社グループでは契約条項に基づいたサービスを提供していますが、何らかの理由等によって、契約条項を遵守することができない場合があります。また、何らかの理由等によって、顧客の検収後に発生した不具合(いわゆるバグ)が発見される場合があります。
当社グループでは、品質管理に十分な対策を講じるとともに、契約に免責条項を定める、損害賠償保険に加入するなどの方法でリスクヘッジを行っております。
しかし、当社グループの重大な過失によって契約条項を遵守できない場合、またはシステムの不具合が生じた場合、損害賠償の発生や信用失墜等によって、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
なお、現在まで契約条項を遵守できない、またはシステムの不具合等によって、当社グループの業績に重大な影響を与えるクレーム等を受けたことはなく、訴訟等も発生しておりません。

3.顧客の大半を金融機関に依存するリスク

当社グループは、現時点では売上の大半を国内金融機関に依存しております。このため、顧客である金融機関の以下の動向の影響を受ける可能性があります。

(1) 金融機関のIT投資動向
当社グループの主たる事業は、金融機関において利用されるシステムの開発であるため、各金融機関におけるIT投資動向が、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。特に現時点では顧客の大半が国内金融機関となっているため、国内金融機関の合併・統合・倒産・国有化などの状況によっては、IT投資動向が大きく変化する可能性があります。
現時点での見通しとしては、国内金融機関については概ね再編が終わっていると考えられるため大きな影響はないと考える一方で、国内金融機関がグローバルな統合に巻き込まれた場合はIT投資動向が変化する可能性があると考えています。また、外資系金融機関については現時点ではほとんど顧客となっていないため、弊社の業績には大きな影響はないと考えています。
(2) 金融機関を取り巻く法令や規制の変更・強化等
当社グループの主たる事業は、金融機関において利用されるシステムの開発であるため、金融機関の業務を取り巻く法令や規制の変更・強化等が実施された場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。短期的にはドキュメント作成などへの対応で追加的なコストが発生する可能性があります。また将来的には、金融機関の業務領域を制限するような法令や規制、または金融機関のシステム開発に関連するアウトソーシングを制限する法令や規制が実施された場合、当社グループの業績に多大な影響を与える可能性があります。
(3) 金融フロンティア領域の動向
日本の金融機関のIT投資は、欧米の金融機関と比較して、勘定系システムなど効率化による費用削減のために行ういわゆるバック領域への投資の比重が高いと言われています。当社グループは、日本の金融機関の競争力強化のためには、戦略的なIT投資が促進され、金融フロンティア領域への投資が欧米並みに増加することが必要不可欠であると考えています。また近年、インターネットでの金融取引の発展や新しい金融商品の拡充に伴って、金融フロンティア領域へのIT投資は急速な勢いで拡大しています。さらに、金融機関の競争力強化、規制緩和、技術革新などによる金融機関業務の広がりが、今後の“金融フロンティア領域”へのIT投資の拡大を予感させます。
当社グループは、当分の間、金融フロンティア領域に特化する戦略をとっているため、金融フロンティア領域の将来の市場規模や金融機関を取り巻く経済環境などが当社グループの想定と異なった場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

4.人材の確保についてのリスク

(1) 優秀な人材の確保・定着
当社グループの事業において中心的な経営資源のひとつは人材であり、優秀な人材を確保・定着させることが最重要戦略の一つです。
当社グループでは、優秀な人材を人種・国籍・性別・年齢を問わず世界各国から幅広く採用しています。最高水準の人材を集めるためには、業界最高水準の報酬を用意することももちろん重要ですが、報酬だけに依存する人材活用ではなく、スキルアップ等を含めた社内環境、優秀な人材を受け入れる事のできる社内風土の確立が、最高水準の人材との信頼関係構築のために最重要要素であると認識しています。
これらの人事上の課題を充足できない等の理由により、優れた人材を確保・定着させていくことが出来ない場合、将来的な当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(2) 新卒採用の人材
近年、会社規模拡大のためには中途採用のみの人材拡充では限界があるため、優秀なエンジニア確保の必要性から、ポテンシャルが高い新卒採用を強化しています。
新卒採用では、社内における組織的な教育研修制度の策定が必要不可欠です。当社グループではこれまでの新卒採用を通じて、新卒採用社員の教育研修プログラムを強化・体系化しておりますが、今後新卒採用社員の戦力化に想定以上の時間がかかった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

5.知的所有権によるリスク

(1) 第三者の知的所有権の侵害
当社グループにおいて利用するシステムプログラム等は、基本的に著作権等の知的所有権を当社グループに留保しており、当社グループ独自のものであると認識しております。しかし、当社グループの認識の範囲外で、第三者の知的所有権を侵害する可能性があります。第三者の知的所有権を侵害した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(2) 今後発生する著作物における著作権の確保
当社グループの基本戦略は、著作権を当社グループに留保し経営資源として活用するという戦略ですが、今後新たに発生する著作物についても、著作権を当社グループに留保し経営資源として活用することが将来にわたり常に維持できるという保証はありません。また、この戦略を維持することに伴って想定以上のコストがかかる可能性があります。従って、この戦略が当社グループの想定どおりに機能しない場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(3) 他社の知的所有権の取得
ビジネスモデル特許を含めた他社の知的所有権の獲得動向に関しては、会社設立の早い段階より対応を進めておりますが、他社が当社グループのビジネスの阻害要因となるような知的所有権を取得する可能性があります。他社による知的所有権の取得動向によっては当社グループの事業展開および業績に影響を与える可能性があります。
(4) 個人情報等の重要な機密情報の流出
当社グループでは、業務上、個人情報等の重要な機密情報を顧客より受領する場合があります。当社グループでは、情報管理を徹底するとともに、役職員に対し研修等においてその重要性を周知徹底しています。また、外部からの不正アクセス等についての対策を行い外部からの攻撃対策を講じると共に、社内からの情報流出についてもシステム的な対策を講じております。しかしながら、当社グループが取り扱う個人情報等の重要な機密情報について、漏洩、改ざんまたは、不正使用等が生じる可能性が完全に排除されているとは言えず、何らかの要因からこれらの問題が発生した場合、損害賠償の発生や信用の失墜等によって、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

6.経営方針によるリスク

(1) 配当政策
当社グループは株主への利益還元を経営の重要な課題と位置づけており、配当政策については企業体質の強化と将来の事業展開のために内部留保の充実を図るとともに、業績に応じた配当を行うことを基本方針としています。
現在、当社グループは成長過程にあると考えており、内部留保を図り、今後の事業拡大のための投資等に充当し、企業価値の拡大を目指すことが結果的に株主に対する最大の利益還元につながるとの認識に立ち、内部留保の充実を優先しており、配当性向を15%程度と定めております。今後は、上記の配当政策についての基本方針に則り株主への利益還元を検討する方針ですが、当面は内部留保を優先する可能性があります。また、配当政策を業績連動性としているため、業績が悪化した場合、これに伴って配当が減少するリスクがあります。
(2) ストック・オプションによる希薄化
当社グループはストック・オプション制度を採用しております。当社グループの事業は、高水準な技術・スキル・ビジネス感覚を持った人材をいかに多く獲得・維持するかということに大きく依存しております。そこで役員及び従業員に対するインセンティブとしてストック・オプションを付与しており、今後も継続的に実施していくことを検討しております。よって、これらのストック・オプションが実施及び行使されれば、投資家の保有株式の価値が希薄化することとなります。また、会計制度の変更に伴ってストック・オプションの費用化が実施されており、今後の収益に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 研究開発の方針
当社グループは、新サービスの開発を目的として研究開発を行っており、今後も成長のために研究開発費の支出を継続する方針です。
費用対効果を意識しているため現時点での急激な研究開発費の増加は予想していませんが、何らかの理由で当社グループの見通しが外れた場合、研究開発費が増加するとともに投下した研究開発費の全てを回収できない可能性があり、当社グループの収益性に影響を及ぼす可能性があります。

7.その他の直近におけるリスク

(1) FX事業者への売上高依存度の高さ
当社グループの売上は、ここ数年FX事業者に対する売上高比率が高まっています。これはFXマーケットの急速な拡大に加えて当社グループのシェアが高いことに起因しております。また、FX業界においては、段階的な法規制が予定されており、FX業界全体に環境の変化が生じる可能性があります。
当社グループでは、FX事業者以外の顧客層を拡大することでリスクの分散を図るとともに、安定継続的な課金収入のビジネスの比率を高めることで環境変化に対応できる体制を取っています。今後、FX業界において、何らかの理由でマーケット状況に環境変化が生じた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(2) 成功報酬型ビジネスであるUMS事業へのシフト
当社グループは、設立以来金融フロンティア領域におけるシステム開発業務を中心に事業展開して参りましたが、平成18年11月に公表した中期事業計画に沿って、新規事業であるUMS事業にシフトしています。
UMS事業とは、弊社が自社開発したシステムをサービスとして提供するいわゆるSaas型、クラウド型のビジネスモデルを採用し、顧客の収益に連動する成功報酬型の課金体系を採用しています。
当該分野は、従来の事業ドメインの延長線上にある分野ではありますが、当該分野への事業展開で当社グループが優位性を維持できない場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、成功報酬型の課金体系を採用しているため、顧客の収益によって、弊社の収益が変動する可能性があります。また、収益が当初見込みを大きく下回った場合、サービスを提供するための初期投資および費用などの投資金額を回収できない可能性があります。既にUMS事業などの安定継続的な売上の比率が高まっており、安定的な収益体制が確立されつつありますが、経済環境や顧客動向の影響により利用顧客の拡大が図れず、UMS事業の売上比率が上がらない場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(3) 東日本大震災による影響
平成23年3月に発生した東日本大震災において、当社グループにおける人的/物的被害は特にありませんでした。またこれに関連して、現時点で顧客である金融機関のIT投資動向に大きな変化はありません。ただし、一般的にIT投資は景気に対して遅効性があると考えられるため今度の動向に注意する必要があります。
また、東日本大震災に関連して計画停電等が発生する可能性が報道されています。システム開発事業において電力は不可欠です。当社グループでは短期的な停電への対応はできていますが、計画停電ないし大規模な停電が長期間にわたって発生した場合、システム開発作業面での支障や金融機関の業績悪化によるシステム投資の抑制等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

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